ファン・デ・ナゴヤ美術展2014 「虹の麓 -反射するプロセス-」 番外編その54
ファン・デ・ナゴヤ美術展2014 「虹の麓 -反射するプロセス-」
名古屋市民ギャラリー矢田 第1展示室~第7展示室(全室)
平成26年1月9日(木)~1月26日(日) 9:30~19:00
鑑賞 平成26年1月12日(日)
2014 年度採用企画「虹の麓~反射するプロセス~」展は、石川県金沢市を制作拠点に活動を行う若手アー ティスト8名による展覧会です。
「みる=つくる」というキーワードを基盤に、絵画、立体、映像、インスタレー ション、写真、テキスト、ドローイングなど多岐にわたるメディアを会場全7展示室に展示致します。
Exhibition concept
虹の麓 -反射するプロセス-
虹が見えたのでその麓とやらを探しにいった
近づくほど虹はボヤボヤしてゆき ついには見えなくなってしまった
肩を落とし帰路に着こうと振り返ると 虹がまた姿を現していた
この虹がさっきまで私が見ていた虹なのか それとも別の虹なのかはわからないが そんな事はどうでもよかった
人が何かをつくる(=みる)という営みは、常に内面と外界、2つの「この世界」の結合点に生まれます。
外界における物事との出会いは、「モチーフ」が英語でいうところの「motive」つまりモチベーションであるように、作家が作品を制作する上で重要なファクターとなり得るでしょう。
本展は展覧会をひとつのプリズムとして、ささやかなスペクトルを発生させる試みであります。
展示される作品に見え隠れする背景が反射し合い、更に鑑賞者の背後へと投影される事で、それはパーソナルな経験に沿ったものへと変化するのではないでしょうか。
虹のように不確かで想像力を喚起する場所に私たちはいるのかもしれません。
午前中は、『名古屋城伝統の技にふれる2014 石垣修復現場見学会』
工事現場で修復中の石垣を見る。
それまでのつなぎに。
石川県金沢市を制作拠点に活動を行う若手作家たちによる展覧会。
絵画、立体、映像、インスタレーション、写真、テキスト、ドローイングなど.
一つ一つの展示室で印象が違う。
それぞれ独自のスタイルの現代アート作品。
「空も宇宙」 武田雄介、今西 勇太
照明をあてることもなく貼ってある写真。
壁や天井に映されている映像やスライド写真。
ひっくり返った台車や転がってるオレンジのピンポン玉。
「Material Voice」 𡈽方大、堀至以
壁に掛けてある抽象的な絵画と、部屋の中央に吊るされた色鮮やかなオブジェ。
そのオブジェには菌類が繁殖したかのような結晶。
明るい室内が不思議な空間に。
「ビニール」 遠藤惇也
はっきりしない姿の水槽の中のウーパールーパー。
ヒラヒラと揺れる手のひら、重ねられた映像。
見えているような見えていないような状況を創り出す。
壁に木材やテープでビニールの窓が造られている。
「月と日について」 菊谷達史
片側に強い光源を意識させ、背景の真っ黒な中に浮かび上がる花たち。
逆に真っ白な背景のポプラの木。
自分の部屋といった身近な作品。
思わず本棚に目が行く。
「虫瞰図と鳥瞰図」 柄澤健介
木材の匂いを感じさせるような鋭いエッジ。
その隙間に入り込む半透明のパラフィンワックス。
融合。
視点の差。
「0.00000000000000000000332億光年」 井上大輔
発砲スチーロールを溶剤で溶かし、彩色したオブジェ。
サイズや黒っぽい暗色なので、どうしても「モノリス」を連想させる。
しかたないのか。
そうすると、白っぽく穴のあいた数個の頭蓋骨は「ターミネーター」か、、、。
4階の展示室には、各アーティストにまつわる物を集積。
「制作のプロセスを顕在化させる実験的な場を展開」とのこと。
ここが今回の「虹の麓」なんですね。
各アーティストさんが何に心惹かれるのか、興味を持つのか。
自身というフィルターを通して生み出される物が作品なんでしょうね。
プラスチックのケースに入ったビー玉を見た時、「虹の麓」の宝物を見た気がした。
興味のない人にはただのガラクタだろうな。
今回の企画・コンセプトを実現させたってことに意義があると想いました。
名古屋市民ギャラリー矢田
「虹の麓 -反射するプロセス-」 公式HP